商品の陳列什器をあえて平棚で結んで空間を演出したり、店内の雰囲気作りに木を使ったりすることで顧客に心理的なゆとりを持たせる試みを行う店舗が増えています。
商品陳列数を減らした棚割りを行う事で店内の通路幅を広めに確保。 顧客に“長居して下さい。 “どうぞ、ごゆっくり” というメッセージをレイアウトを通じて伝えることで顧客に居心地が良いと感じさせる効果があります。
従来よりもゆったりとした陳列のスペースを比較的高額な商品のプレゼンテーションのスペースにすることで足を止めて商品の説明や商品自体に興味を示す顧客を増やすことが可能です。
このような取り組みの結果として顧客は滞在時間を増やし、ついつい消費行動に走ってしまう。 結果、買上単価の上昇に結びついているようです。
仕掛けを作った棚割りを行ったゾーンの人の動きをチェックすることで効果の測定を一定の数値として“見える化”して評価を行う事が重要です。
単純な原理ではありますが、滞在時間が増えれば購買の機会は同様に増えていきます。 時代は変わっても普遍的な人間の消費行動の一つのパターンです。 当然ながら店舗の場所や属性、来店される人の属性や目的、年齢層や時間帯、更には天候や個人かグループか、など様々な複合的な要因により傾向は異なりますが、平均値を取る事で一定した指標となります。
同じ大きさの日用品スーパーAとBがあったとします。 商品の品揃えも同じ価格も同じだとします。 立地も変わらなければほぼ同じような数のお客様が来店されるはずです。 ここでスーパーAでは店内のPOPを工夫して商品の説明を分かり易く訴えかけ、更に試食コーナーを設けるなどお客様の足を留める努力を行ったとします。 果たしてA店の平均滞在時間がB点よりも3分伸びたと仮定すると売上金額もA店の方がB店よりも大きくなる傾向になるはずです。
100円ショップでは顧客の平均滞在時間を1分増やす努力を常に行っています。